「星に願いを」に込められた“願い”を肯定する力 『ピノキオ』と共にディズニーの根幹を作った楽曲の功績

 ディズニーの人気長編アニメーションを実写化した『ピノキオ』が、9月8日からディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)で日米同時配信されている。本作は、子供好きで孤独な老人・ゼペットが星に願ったことで、自作の木彫りの操り人形「ピノキオ」に命が吹き込まれるという物語だ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを手がけたロバート・ゼメキスが監督を務め、そのゼメキスと『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)でタッグを組んだトム・ハンクスがゼペットを演じている。豪華キャストと製作陣により実写化が実現した本作だが、特に注目したいのはその楽曲である。

 ディズニーアニメーションといえば、度々その美しい楽曲が注目を集めている。作品ごとにキーとなる曲があり、映画を観たことがなくても曲は耳にしているということも多いだろう。そして『ピノキオ』でのキーとなる楽曲が「星に願いを」だ。

妃海 風 - 星に願いを (From『ピノキオ』)

 「星に願いを」は1940年に米アカデミー賞‎で歌曲賞・作曲賞を受賞し、ディズニーアニメーションの楽曲の素晴らしさを裏付けた名曲でもある。現在もディズニーアニメーションのオープニングには、シンデレラ城のシーンで本楽曲が使われており、メロディが流れると共にディズニーの世界に誘われるワクワク感が心に広がっていく。他にもディズニーパーク内や、アニメーション、その他のコンテンツにおいても、本楽曲は繰り返し使用されていることから、まさにディズニーを象徴する楽曲といえるのではないだろうか。

 そんな「星に願いを」だが、表現する内容はタイトルの通り、夜空の星に向けて願いごとをすることで叶えるということ。作品は、〈輝く星に 心の夢を 祈ればいつか叶うでしょう〉という歌い出しから、徹底して「夢を持ち、それについて願い、叶えること」を描いている。短い楽曲に込められたシンプルなメッセージは、どんな時も多くの人の心を照らし導いてきた。

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